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2018年05月12日

JMPer’s Meeting

先日開催されたJMPer’s Meetingに参加してきました.今年最初だということで,そういえば以前はもう少し頻繁に開催していたように思います.講師側になったりもしているので知っているのですが,場所取りが大変でスケジュール調整に苦労されているようです.100名規模の収容となるとあのセミナールームしかないので,取合いの状況らしいです.SASのほうでもよくあそこでセミナーを開催していますね.
まだ先のことですが,以前お知らせしたように,SAS社に場所を提供していただいて「統計的問題解決入門」のゼミを開催することになっていますが,いろいろあって結局あのセミナールームを半分に仕切った部屋でやることになりました.ゼミ形式なので一方的にお話しするのではなく,参加者とコミュニケーションをとって少人数でやりたいので,最初はあのガラス張りの小部屋を希望していたのですが,どうせやるならもう少し人数を増やしませんかと広い部屋を提供して頂いた次第です.ゼミ形式という性格から,JMPer’s Meetingと違って一般募集はかけず,担当営業さんから興味があると思われるユーザーに直接案内していただくことになっています.もしも統計的問題解決ゼミに興味がありましたら,担当営業さんに聞いてみてください.あるいは私にコメントでお知らせくださってもかまいません.
さて,今回のテーマはJMP14の新機能紹介ということで,三部構成の内容でした.最初に私が最もお世話になっている技術の方から,「基本機能に関する新機能」についてお話しいただきました.地味な機能という言葉を連発されていましたが,JMPも14ともなると目立った機能は実装済みですから,しかたないことです.これはAdobeのようなソフト会社の陥るジレンマです.Illstratorなども必要な機能は大昔のバージョンで備わっていましたから,ユーザーのアップグレードを促すためには,何かしらの新機能を定期的に実装しなければならず,ときにそれが改悪だったり,あるいはサードパーティのプラグインを買収したりと悪戦苦闘していました.今では,個人ユーザーをある意味切り捨てクラウドに移行したので,このジレンマから逃れたように見えます.もはやAdobeは純粋なソフト会社とはいえないので,このような業態変化もしやすかったのでしょう.
さて,この地味な新機能の中では,「複数のファイルの読み込み」がおそらく一番目立つ新機能です.スクリプト系の言語を使った別の手段でも可能ですが,そういった知識のない人には特にありがたい機能で,実際,以前から要望は強かったと聞いています.また,「再コード化の機能追加」として簡単な名寄せ機能が実装されましたが,その他のテーブル周りの基本機能の改良,例えば,データクレンジングに計算式が使いやすくなったり,仮想結合の細かい機能追加をみていると,今後のJMPはSASのような上位に頼らないスタンドアローン化を向いているような気がします.Pythonとの連携はαテスター中に試そうと思いつつ時間がなくできなかったので知りませんでしたが,Mac版は非対応のようです.Mac環境でもHomebrewのような優れたパッケージマネージャーがありますので,(初心者でもPythonのようなソフトのインストールの難易度が下がったこともあり)ぜひとも次のバージョンでは(JMP15と言わずに)実装をお願いしたいところです.デモではPythonの機械学習の結果をJMPに取り込んで表示されていました.Pythonの機能をJMPのGUIで使うという流れですが,私にはむしろ逆にPythonでデータ前処理を自動化して,それをJMPの対話型データ分析に持ってくるという流れのほうが魅力です.
第二部は「統計,グラフの新機能」と題したセッション.発表された技術の方は度々SUMMITでも話されていて,いつも独自データを使った面白い話をしてくださるのですが,「SHASH分布のあてはめ」のところなど今回も聞いていて面白い内容でした.いろいろとアイテムがあるなかで私が注目したのは,グラフビルダーに統計機能が実装されたことです.今までも相関係数くらいは表示できましたが,JMP14では層別分析ができるようになったり,箱ひげ図の5数要約の表示や,なんと1サンプルt検定まで実行できるようになりました.わざわざグラフビルダーで統計分析をする意味があるのかと問われれば,返答に窮しますが,わたしは今後のJMPの方向がグラフビルダーをコアにしていくような気がしています.JMPは歴史のあるソフトなのでノスタルジックな昭和のGUIとWeb前提の平成のGUIとが混在しています.例えば,ジャーナルとかIshikawaダイアグラムなどが典型的な前者ですね.パーティションなども古さを感じます.これらの素晴らしい機能がグラフビルダーのような現代的なGUIとうまく融合していってくれればいいなと願っています.それにしても,待望のテキストエクスプローラの日本語対応ですが,JMP Proに実装された機能はおもしろいですね.計量書誌学(Bibliometrics)という学問分野がありますが,JMPでこんな 分析ができるのだとすれば胸熱ですね.(情報知識学会誌に掲載された論文がPDFになってます.)
第3部は「実験計画,品質と工程の新機能」でした.産業分野向けの機能ですが,少なくとも実験計画ではマイナーな改良が二つあるだけです.一つは以前このブログでも書いた記憶があるのですが,カスタム計画のA最適基準が新設されたことと,もう一つは「DSDのあてはめ」で二次項に対する弱い親子関係で変数選択できるようになったことです.今日は時間になったので,これらについてはまた後日この場でお話ししたいと思います.親子関係って?人はしばしお待ちを.それでは.
タグ:JMP
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2018年04月14日

Discovery Summit Japan 2018

2018年11月16日(金)に例年と同じグランド・ハイアット東京で,今年もDiscovery Summit Japan 2018が開催されます.去年のDiscovery Summit Japan(以下DSJ)は口頭発表に加えてポスターまでも欲張って妙に慌ただしかったせいか,私にはなにか最近の出来事のようにも思えます.それで,もうそんな時期かと軽く驚きましたけれど,発表の申し込みが開始されました.申し込みサイトはこちらです. 申し込み期限は2018年5月31日(木)17:00となっていますので,あと一月半ありますから,連休中に構想を練る時間もあります.特に産業分野からの申し込みをお待ちしています.
というのも,私は今年もコミッティのメンバーを拝命していて,私の昨年の発表の冒頭にお話ししましたように,DSJでも米国並みにもう少し産業分野をからの発表を多くしたいと画策しているからです.去年は特に顕著でしたが,例年DSJでは医薬分野からの発表が盛んで羨ましいかぎりです.医薬分野では,StatViewというMacで有名な統計ソフトがあったのですが(後にWindows版もできましたけど),このソフトは医薬・生物関係の分野で人気がありました.因みに,同じ頃SPSSは社会科学分野で主流だったように思います.そのStataViewはver.5を最後にSAS社に買収されてクローズした経緯があります.その際に多くの医薬分野のユーザーがJMPに鞍替えしたため,JMPにはそもそも医薬関係のユーザーが多いのではないかと推察しています.
そうはいっても,この事情は米国も同じなので,DSJでの発表件数の日米間の差は単に日本の産業分野に元気がないことの表れなのかもしれません.社外発表の敷居が高いという日本の産業分野の事情もあるでしょう.もちろん,社外発表についてはいろいろと決まりがあるのはどこも同じですが,いろいろな場で技術者の皆さんとお話しして思うのは,産業分野では会社側だけでなく発表者も社外発表のメリットを正当に評価できていないように思います.
メリットはいろいろあります.ここでそれを話すよりも体感したほうが早いです.端的にいうと,いつかやらなければならないと思っていたこと(やりたいと思っていたこと)が,確実に進みます.自分を追い込むこと以外にも,発表したいアイデアが確実に改良されます.アイデアがあれば,まずは申し込んでみてください.データそのものや事例の詳細は開示する必要ありません.むしろある程度一般化して話していただいた方がありがたいくらいです.応募に必要な情報は,発表タイトル(50文字以内)発表者プロフィール(250〜500文字)に加えて,発表概要を250〜500文字でお願いしています.内容は学会発表と違ってDSJはJMPユーザーの集いですから,論文の査読のようなことはしません.我々コミッティの役目はあくまでも内容をチェックして,偏りのないプログラムを構成することです.コミッティとしては,よほどのことがない限り発表の申し込みを採択はすれども棄却することはありません.但し,発表の枠はありますから定員はあります.それをオーバーした場合,ポスターに回っていただけるかをお願いすることはあるかもしれません.
申し込んでみたいという方がいらっしゃいましたら,「このような内容でも発表できるのか」とか「どこまで技術内容を伏せてもいいものか」等々,いつでも相談に乗りますのでご連絡いただければありがたいです.こんなことがやりたいというレベルでもかまいません.
本日は別のことを書く予定でしたが,急遽DSJ発表のお誘いに変更しました.それではまた.
タグ:JMP
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2018年03月17日

JMP14

いよいよJMP14のリリースが正式にアナウンスされました.プレスリリースはこちらです.2018年3月22日(米国東部時間)より全世界同時に出荷開始とのことなので,もう来週ですね.おそらく,完全日本語版は半年遅れでJMP14.2?のリリースのタイミングになるでしょうけれど,通常使用には問題ない範囲で日本語化されていますので,それまで待たずにJMP14.0を試されるとよいと思います.グレードを検討するのアップであれば,おそらく今まで同様にトライアル版も準備されているのではないでしょうか.
2018年第1回のJMPer’s MeetingはJMP14の新機能紹介セミナーということで私も申し込みましたが,今確認したところ,既に満席でキャンセル待ちになっています.
参加できないかたのために,このブログでも新機能を紹介していきたいと思いますが,残念ながら統計的問題解決に関連する機能ではこれといったものはないように思います.とはいえ,いくつか注目している機能はあります.JMPにはearly adopter programという制度があって,実はわたしも,いわゆるβテスターとして昨年末からJMP14で統計的問題解決に関係する機能やMCDAアドインのテストなどを検証しています.業務ではJMP13を使わざるをえないので,なかなかJMP14に触れる時間がとれなかったのが残念ですが,それでも(まだリリース前なので詳細にはお話できませんが)バグを一つみつけて報告したりしています.
early adopter programのことは周知してはいけないのかと思っていましたが,User CommunityのJMPer CableにJason Brinkleyというearly adopter の方のコメントが掲載されていましたので,公開はされているようです.
このJMPer Cableというブログで紹介されているMultiple-file importがJMP14の売りの一つです.個人的には他の手段(例えばPysonとかを使って)で可能な処理はJMP側で持たなくてもよいと考えているので,正直言って「ああ,そうですか」くらいの感想ですが,使って見たらこれは便利と手放せなくなるかもしれません.聞くところによれば以前からリクエストはあったようです.
私がリクエストするならば,ところどころに顔を出すJMPのおせっかいを少なくとも何らかの手段でお断りさせてほしいです.おせっかいというのは,前回お話しした,除外したデータが検証データに勝手にアサインされてしまうという機能がその一つです.他にもいろいろありますが,例えば,統計的問題解決に関係するところでは実験計画でn水準の離散数値を因子とすると,n−1, n-2,..., 2乗の項が勝手に追加されます.しかも,「推定」が「可能な場合のみ」にされてしまっているのです.そうでもないと実験数が多くなって現実的ではありませんのでいたしかたありませんが.もちろん,n水準を設定するということはn-1乗の効果を想定しているんだよね,という親切心?からなのかもしれませんが,やめて欲しい仕様の一つです.とはいえ,このことからも離散数値を使う状況というのは特殊なものであることが理解できますね.
今後JMP14については折を見てこの場で紹介していきます.それでは今日はこれで.
タグ:問題解決 JMP
posted by Tad at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | JMP