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2018年04月14日

Discovery Summit Japan 2018

2018年11月16日(金)に例年と同じグランド・ハイアット東京で,今年もDiscovery Summit Japan 2018が開催されます.去年のDiscovery Summit Japan(以下DSJ)は口頭発表に加えてポスターまでも欲張って妙に慌ただしかったせいか,私にはなにか最近の出来事のようにも思えます.それで,もうそんな時期かと軽く驚きましたけれど,発表の申し込みが開始されました.申し込みサイトはこちらです. 申し込み期限は2018年5月31日(木)17:00となっていますので,あと一月半ありますから,連休中に構想を練る時間もあります.特に産業分野からの申し込みをお待ちしています.
というのも,私は今年もコミッティのメンバーを拝命していて,私の昨年の発表の冒頭にお話ししましたように,DSJでも米国並みにもう少し産業分野をからの発表を多くしたいと画策しているからです.去年は特に顕著でしたが,例年DSJでは医薬分野からの発表が盛んで羨ましいかぎりです.医薬分野では,StatViewというMacで有名な統計ソフトがあったのですが(後にWindows版もできましたけど),このソフトは医薬・生物関係の分野で人気がありました.因みに,同じ頃SPSSは社会科学分野で主流だったように思います.そのStataViewはver.5を最後にSAS社に買収されてクローズした経緯があります.その際に多くの医薬分野のユーザーがJMPに鞍替えしたため,JMPにはそもそも医薬関係のユーザーが多いのではないかと推察しています.
そうはいっても,この事情は米国も同じなので,DSJでの発表件数の日米間の差は単に日本の産業分野に元気がないことの表れなのかもしれません.社外発表の敷居が高いという日本の産業分野の事情もあるでしょう.もちろん,社外発表についてはいろいろと決まりがあるのはどこも同じですが,いろいろな場で技術者の皆さんとお話しして思うのは,産業分野では会社側だけでなく発表者も社外発表のメリットを正当に評価できていないように思います.
メリットはいろいろあります.ここでそれを話すよりも体感したほうが早いです.端的にいうと,いつかやらなければならないと思っていたこと(やりたいと思っていたこと)が,確実に進みます.自分を追い込むこと以外にも,発表したいアイデアが確実に改良されます.アイデアがあれば,まずは申し込んでみてください.データそのものや事例の詳細は開示する必要ありません.むしろある程度一般化して話していただいた方がありがたいくらいです.応募に必要な情報は,発表タイトル(50文字以内)発表者プロフィール(250〜500文字)に加えて,発表概要を250〜500文字でお願いしています.内容は学会発表と違ってDSJはJMPユーザーの集いですから,論文の査読のようなことはしません.我々コミッティの役目はあくまでも内容をチェックして,偏りのないプログラムを構成することです.コミッティとしては,よほどのことがない限り発表の申し込みを採択はすれども棄却することはありません.但し,発表の枠はありますから定員はあります.それをオーバーした場合,ポスターに回っていただけるかをお願いすることはあるかもしれません.
申し込んでみたいという方がいらっしゃいましたら,「このような内容でも発表できるのか」とか「どこまで技術内容を伏せてもいいものか」等々,いつでも相談に乗りますのでご連絡いただければありがたいです.こんなことがやりたいというレベルでもかまいません.
本日は別のことを書く予定でしたが,急遽DSJ発表のお誘いに変更しました.それではまた.
タグ:JMP
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2018年03月17日

JMP14

いよいよJMP14のリリースが正式にアナウンスされました.プレスリリースはこちらです.2018年3月22日(米国東部時間)より全世界同時に出荷開始とのことなので,もう来週ですね.おそらく,完全日本語版は半年遅れでJMP14.2?のリリースのタイミングになるでしょうけれど,通常使用には問題ない範囲で日本語化されていますので,それまで待たずにJMP14.0を試されるとよいと思います.グレードを検討するのアップであれば,おそらく今まで同様にトライアル版も準備されているのではないでしょうか.
2018年第1回のJMPer’s MeetingはJMP14の新機能紹介セミナーということで私も申し込みましたが,今確認したところ,既に満席でキャンセル待ちになっています.
参加できないかたのために,このブログでも新機能を紹介していきたいと思いますが,残念ながら統計的問題解決に関連する機能ではこれといったものはないように思います.とはいえ,いくつか注目している機能はあります.JMPにはearly adopter programという制度があって,実はわたしも,いわゆるβテスターとして昨年末からJMP14で統計的問題解決に関係する機能やMCDAアドインのテストなどを検証しています.業務ではJMP13を使わざるをえないので,なかなかJMP14に触れる時間がとれなかったのが残念ですが,それでも(まだリリース前なので詳細にはお話できませんが)バグを一つみつけて報告したりしています.
early adopter programのことは周知してはいけないのかと思っていましたが,User CommunityのJMPer CableにJason Brinkleyというearly adopter の方のコメントが掲載されていましたので,公開はされているようです.
このJMPer Cableというブログで紹介されているMultiple-file importがJMP14の売りの一つです.個人的には他の手段(例えばPysonとかを使って)で可能な処理はJMP側で持たなくてもよいと考えているので,正直言って「ああ,そうですか」くらいの感想ですが,使って見たらこれは便利と手放せなくなるかもしれません.聞くところによれば以前からリクエストはあったようです.
私がリクエストするならば,ところどころに顔を出すJMPのおせっかいを少なくとも何らかの手段でお断りさせてほしいです.おせっかいというのは,前回お話しした,除外したデータが検証データに勝手にアサインされてしまうという機能がその一つです.他にもいろいろありますが,例えば,統計的問題解決に関係するところでは実験計画でn水準の離散数値を因子とすると,n−1, n-2,..., 2乗の項が勝手に追加されます.しかも,「推定」が「可能な場合のみ」にされてしまっているのです.そうでもないと実験数が多くなって現実的ではありませんのでいたしかたありませんが.もちろん,n水準を設定するということはn-1乗の効果を想定しているんだよね,という親切心?からなのかもしれませんが,やめて欲しい仕様の一つです.とはいえ,このことからも離散数値を使う状況というのは特殊なものであることが理解できますね.
今後JMP14については折を見てこの場で紹介していきます.それでは今日はこれで.
タグ:問題解決 JMP
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2017年12月02日

イノベーションと実験計画

 Analytically Speakingというのをご存知でしょうか.JMPの米国HPのLearn JMPのタブの右下にあるOn-Demand Webcastsから一連のビデオが視聴できますが,Analytically Speakingのコーナーは一番上にあります.ときどき除いているのですが,最近のビデオがよかったので紹介します.本日時点では二番目に新しいビデオでHow Do You Build a Great Analytic Culture?というタイトルです.
このビデオはUser Communityのブログでも紹介されていました.(因みにUser Communityへ行くには,JMPのヘルプメニューから>JMP User Communityを選択します.ブラウザに表示されるページの上に並ぶナビゲーションタブの一番右のJMP Blogsをクリックします.)ビデオの内容は分析文化を醸造するにはいかにすべきかという問いに関してJMPセールスの親分ジョン・ワイズ(Jon Weisz)とField Enablementという(日本で言うアプリケーションエンジニアのようなものでしょうか)部門の重鎮ルー・バレンテさんへのインタビューです.

ジョン・ワイズさんとは毎年サミットでお会いしていますが,今回のサミットでもお話ししました.彼も私と同じMacユーザーなので(賛否両論ある)MacBook Proのタッチバーはあったほうがよいという意見や,JMPはやはりMac版の方が見た目が綺麗だという点でも一致して盛り上がったりしました.そういえば今回のジョン・ソールさんの講演ではMacを使われていましたね.最初にお会いしたときはWINDOWSを使われていたし,去年の講演でもWINDOWSを使われていたのでジョンのマッキントッシュプログラムと言うのは昔のことかとがっかりしていました.なんでも去年の講演ではビッグデータを使うのにハードの搭載メモリ上限があるMacBookではなくWINDOWSのノートPCを使う必要があったそうです.今回のゴーストデータではその制約もないのでご自分のMacを使われたのでしょう.
 もう一人のルー・バレンテさんは絵にかいたような好漢です.数年来の顔見知りなので今回日本にいらっしゃらなかったのが残念ですが,ビデオではお元気そうですね.コダックで実務として長い実験計画の経歴をお持ちで,DSDは彼に最初に紹介してもらったことを覚えています.そのときの私の質問「DSDのデータから統計モデルを作っちゃダメなの?」にはっきりしかも力強く「NO!」と答えてくれたことを昨日のように思い出します.そのあと,そうはいってもね...という議論が続くのですが,ここらへんのことは本書に書いてあるとおりです.ビデオではルーさんが初期のDSDの事例を紹介してくれていますが,その際にDiscovery Paper Searchというアドインで過去のDiscovery Summitでの発表を検索しています.私は幾つかの理由から発表の資料を公開していませんが,これを見て気が変わりました.いずれ英語にして検索に引っかかるくらいのものを作成して登録してもらうようにします.それにしてもいろいろなアドインが入ってますね.それと彼もMacユーザーだということは初めて知りました.

40分を超えるビデオですが見る価値はあります.後半のコダックのOLEDの実験計画の事例などは実験計画をうまくやれば(おそらく幾度かの失敗を乗り越えて)大きな成功をもたらすことができるという証明です.このビデオでまさに私が同感するのは,JMPブログでもリファーされているジョン・ワイズさんの言葉です.
“There has to be the freedom to innovate and try, otherwise you literally cannot do experimentation if you can’t innovate and try because that’s what in essence DOE is – a lot of innovations and trials within the experiment.”
イノベーションを起こしそれに挑戦するにはそこに自由がなければならないんだ.もしそれらが自由にできないのなら文字通り実験はできないということだよ.だって,それがDOEの神髄だからね.多くのイノベーションやそれへ挑戦することは実験の中にあるんだ.
 
「統計的問題解決入門」では,イノベーションを目指すにはDOEに基づいたパラメータ設計が必須であるということをいささか回りくどく書いています.控えめに実験計画の意義を主張して,読者自らがそれに気づいてもらうような意図があるのですが,このため本書の第3講はやや抽象的であるというもっともなご意見もいただいています.このことをジョン・ワイズさんはアメリカ人らしく直球で言ってくれました.ちゃんと挑戦は失敗の裏返しと言うことも言われています.メッセージとしてはこのほうがよく伝わると感じました.私もこれからはイノベーションを目指すならDOEしなければ駄目だとストレートに表現します.

この後ビッグデータについても書こうと思ったのですが長くなるので今日はここらへんで.
それではまた.
タグ:統計学 JMP
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